第十章 希望ある明日へ
「時代閉塞社会」から「希望横溢社会」へ
 不幸が不幸を招く「不幸の連鎖社会」から、幸福が幸福を呼ぶ「幸福の拡散社会」へ、どうしたら、社会を変えることが出来るのか、を考えて書き始めた拙文も、そろそろ私なりの答えを書くことになります。勿論、社会問題なので、一個人が、社会を変える、などということは、土台、無理な話と言えなくはない。しかし社会は、私のような一個人から構成されている。であるなら、私たち、一人一人の、日々の暮らし、生き方から、社会を変えることは出来る、と確信します。そしてそれは、決して不可能な難事ではない。普通の人間として、ごく当たり前のことを、当たり前にすることだけなのです。
 嘘をつかない、エラそうにしない、媚びない、諂(へつら)わない、動じない、揺るがない、自分のことは自分で決める、みんなちがって みんないい、世のため 人のため、気くばり 心くばり、くらしを大事に、好き嫌いをハッキリと、嫉(ねた)まない、五感を大切にする、そんな私たち、一人一人の普段のふるまい、心の持ち方で、社会は変わるのです、イエ、変えなければならないのです。この十年ほどの間に、この国の人倫(ひとのみち)は、地に堕ちました。社会を支える背骨が、砕(くだ)け散ってしまったのです。希望ある明日へ、社会変革の道標は、今、私たちに託されているのです。