三十六話

 この夏の猛暑の盛り、クーラーが突然動かなくなって、あわてて電器屋さんに電話をしたら、その日の夕方、早速直しに来てくださいました。助かった

街の○○屋
 自宅のクーラーが故障したのと同じ頃、知り合いの家のクーラーも故障しました。購入した大型家電量販店に電話をしたら、一週間後に修理に来てくれるとのこと、「この暑さを一週間も我慢しろと言うのか」と怒ったそうです。街の電器屋と大型家電量販店との、この対応の差は一体何なんだろう。私が電器屋さんに電話した時、電器屋さんはきっと私の顔を思い浮かべたことでしょう。一刻も早く治して欲しいという。大型家電量販店で電話口に出られた社員は、規定通りの返答をしたのでしょう。お互いの顔が見えるか、見えないかの違いだったのだと思います
 私も、ある時期まで、大型家電量販店で購入していました。安いから、ポイントがたまるから、品揃えが豊富だから。ところが、ある時期から、近所の電器屋さんのお世話になるようになりました。安くはないかもしれない。カタログを見せて貰って、お勧めの機種を買うだけです。それで十分だし、それ以上のものがある。安心、と言う一文字が。お互いの顔が見える。お互いの「ココロ」が見える。今、どの業種でも、「街の○○屋」さんは厳しいでしょう、苦しいでしょう。しかし「街の○○屋」さんにしかないものがある。通い合う「ココロ」。