社会変革への道標
はじめに
 私は、昭和25年、1950年の生まれで、齢(よわい)70歳を越えましたが、これまでの人生を振り返って、ここまで日本という国が壊れるとは思いも掛けませんでした。とりわけここ10年ほどの間の劣化は想像を絶するばかりです。今、私たちの回りで、日々起きている出来事を見るにつけ、聞くにつけ、なぜ日本は、こんなとんでもない社会になってしまったのか、と嘆くことしきりなのですが、ただ嘆いてばかりいても何かが変わるわけではなく、社会の状況がこのままでは困る、なんとかしなければ、と切に思うのです。
 なぜ日本が駄目になったのか、を私なりに考え続けて思い当たったのは、今、日本の社会が、不幸が不幸を招く「不幸の連鎖社会」になってしまったからではないか。であるなら、日本の再生は、幸福が幸福を呼ぶ「幸福の拡散社会」に変革することを措いて他にありえないのではないか、と考えました。
 では、どうしたら「不幸の連鎖社会」を「幸福の拡散社会」に変革することが出来るのか。私なりに考えたことを書きとめてみました。