第三十二話

 なんで日本人は、こんなに貧乏になったのだろう。

WI作戦
 「モノ」が売れなくなったのは、日本人の価値観が、「所有価値」から「使用価値」に変ったからだ、と散々書いてきましたが、本当は、日本人が貧乏になったからです。実質所得が減り続けている、可処分所得が減り続けていることが最大の原因です。かつて一億総中流と言われた日本社会は、今や中間層が、ドンドン貧困層に没落しているのです。私が、どうこう出来る問題ではないのですが、それでも、このままの状態が続くことは黙視できないので、弊店なりの対策を考えねば、と「商道(あきないみち)」を書き始めたのです。
 一発逆転、起死回生の妙案はないですが、目下、私が期待しているのは「WI作戦」です。「WI作戦」というキャッチフレーズは、私が考えたのですが、「ダブリュ・アイ作戦」という意味で、「WI(ダブリュ・アイ)」はインターネットとインバウンドの二つの頭文字から採りました。要するに、インターネットとインバウンドを頑張ろう、ということです。
 インターネットは、阪神淡路大震災後、ホームページを立ち上げ、それなりにコツコツ取り組んできたのですが、インバウンドは、ここ数年、外国の観光客がドンドン増えている。たまにお買物もして頂けるのですが、日本人が貧乏になって買い物が出来なくなっているのであれば、外国の観光客を、お客様に取り込もうと考えたのです。まだインターネットほどは販売に繋がっていませんが、将来有望と期待しています。