「共生の社会」を目指して「共感の場」の創出

 今、日本の社会は、貧困率が16パーセントを越えるという驚愕の数字に端的に示されているように、極めて厳しい状況に直面しています。一体、日本は、これから、どのような社会を目指せばよいのでしょう。与えられた選択肢の限られた中で、私は、共存共栄の「共生の社会」を目指さねばならないと考えます。自分の立場だけで、思考し、判断し、行動するのではなく、絶えず、他者の立場に配慮し、共に生きることを認め合う、相互理解、相互尊重に基づく社会に変わっていかなければ、拡大する格差ゆえに、社会は不安定となるでしょう。
 「共生の社会」に近づくために、何を為さねばならないのでしょう。私は、「共感の場」の創出だと考えます。他者に共感する能力が、内的規範としての倫理を形成し、社会の均衡の取れた発展に寄与すると考えるからです。では、「共感の場」は何処に生まれるのでしょう。私は、日常生活のすべての時と所に、「共感の場」は生まれうると信じます。他者に心を開き、他者と心を一つにするなら、日常生活のすべての時と所に、「共感の場」は生まれる。
 「まるたやフレンドリーコンサート」は、結局、「共感の場」を創り出すことではなかったか、と今になって気付きました。唯単に、私の趣味、私の商売、で始めたことではあったけれど、私は、いつも、社会を、より良き社会を実現するために続けてきた、と言って過言ではない。一寸の虫にも五分の魂があるなら、私の小さな小さな魂の叫びではあったのです。