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きもの 挽粉染 白河英治  帯 綴織 服部秀司
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  『綴(つづれ)』

 綴織は緯糸(よこいと)に色糸を用いて模様を織り出す技法で、織物に模様を織り出す技法としては最も原初的です。原始的な技法であるがゆえに、その歴史は古く紀元前3000年以前のエジプト古代文明に遡るといわれ、バビロニア、インカ、中国でも紀元前の裂地が発見されています。
 日本には奈良時代に中国、当時の唐から製品が伝えられ、法隆寺や正倉院などに遺品が現存しています。しかし、その後は制作の困難さもあって一般に普及することなく、寺院などごく一部でしか使用されていませんでした。江戸時代の中頃、天明期の頃から西陣で盛んに織り出されるようになり、その伝統は明治になって開花し、フランスのゴブラン織りの影響を受けながら発展して今日に至っています。
 「綴」という漢字は、「糸」と「」とによる会意文字で、「」の古い字形は「」でひもをつづり合わせる意味です。また「つづれ」という漢字は、他に「襤」、「褸」、があり、そのどちらも「ぼろぎれ」という意味で、その二文字をあわせると「襤褸(ぼろ)」になります。現在の美しい「綴」とはかけ離れているようですが、最初期の綴織が、色糸を随所に織り込んだむらむらな織物で、くず糸を随時織り込んだように見えるところから「襤褸(ぼろ)」と名付けられたのかもしれません。

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