−−−−−


春のたより


 時は春、花の季節、野にも山にも、そして街のあちこちに白い花、赤い花、彩とりどりに咲いています。 4月13日(土)から21日(日)まで開く「まるたやフレンドリーコンサート」の会場にも長田けい子さんが丹精こめた綺麗な花が咲きほこります。 きもの、ブラウス、スカーフ、染額、どれも匂うがごとき美しさです。

と き 四月十三日(土)より
 二十一日(日)まで

−−−−−


まるたやフレンドリーコンサート
PROGRAM

4/13 SAT グラニャーニ:デュオ二長調・ヴィヴァルディ:ギター協奏曲二長調 ほか
松本吉夫(G)宮下和子(Vn)・三木成美(Va)・三木久雄(Vc)
14 SUN ヴィヴァルディ:フルートソナタ 八長調 op.13-U ほか
宮名利育(Fl)石橋由紀子(Cmb)・三木成美(Va)・三木久雄(Vc)
15 MON クロンマー:ファゴット四重奏曲 変口長調 op.46-T ほか
永江恵子(Fg)吉井謡子(Va)・三木成美(Va)・三木久雄(Vc)
16 TUE クライスラー:ヴァイオリン名曲集[国巡りシリーズ:オーストリア篇]
立花礼子(Vn)上林きよみ(Pf)
17 WED
PAUSE(お休み)
18 THU アルディーティ:「口づけ」 ・トスティ:「4月」 ほか
若林真実(Sop)・石橋由紀子(Pf)
19 FRI ボッケリーニ:弦楽五重奏曲・モーツァルト:弦楽四重奏曲「不協和音」
日比眞理子(Vn)橋本都恵(Vn)井上ほのか(Vc)・三木成美(Va)・三木久雄(Vc)
20 SAT モーツァルト:ピアノ四重奏曲 変ホ長調 KV-493
上林きよみ(Pf)・立花礼子(Vn)・三木成美(Va)・三木久雄(Vc)
21 SUN プッチーニ:弦楽四重奏曲「菊」・早川正昭:日本の四季より「春」 ほか
上林きよみ(Pf)・立花礼子(Vn)・立花紀子(Vn)・三木成美(Va)・三木久雄(Vc)

丸太やミュージック・フレンズで、出演して頂いている方々のプロフィールもご紹介しています。
演奏者の都合により予告なくプログラムを変更する場合がありますがご了承ください。

会 場  神戸・元町 丸太や 2階 ギャラリー響(入場無料)
時 間  各日とも 11:00AM. 2:00PM. 4:00PM. より演奏いたします。
ロゴ


−−−−−


東レ

−−−−−


と き:5月23日(木)〜28日(火)
ところ:神戸元町 丸太や1,2階特設会場

挽粉染訪問着 白河英治作
 出会いはときにどこかドラマチックです。「お店の前をいったん通りすぎたんやけど引かれるものがあったんやね、引き返して中に入らせてもろたんです。 そしたら横山先生のきものが目にとまって、『表現』があったんですわ」。ちょうど一年程前のこと「見せてもらっていいですか」と店の中に入ってこられ 長田けい子さんの帯を見て「力のある染やね、エエワ」「このきものや帯びは横山先生のですか、さすがやね。横山先生はほんまに立派な方やから。 私も京都工芸美術作家協会でごいっしょさせていただいているんです」と名刺を差し出されたのが白河英治さんとの出会いでした。 「街を歩いていて呉服屋の前を通っても通り過ぎるだけでした。『表現』が伝わってくるきものを展示している呉服屋が無いから。 お店は違ってました。中に入るのは迷惑や思たけど思わず入ってしもたんです」。食い入るように見入って「今日はエエもん見せていただきました。また寄せていただきます。」

 夏の終わり、葉書が届きました。白河さんが京都のギャラリーで個展をされるという案内です。初めて見せていただいた作品は、 まっすぐ前をみつめる白河さんのまなざしが捉えた『表現』でした。「親父が型染の職人やったから小さいときから染の手伝いをしてました。 今も仕事としてはきものや帯を作っているんやけど美術展に出品する作品も作ってます。最近、また無性にきものが作りとなって、きものは女性を美しく見せるものでしょ。 きものが消えて『綺麗な女性(ひと)やな』という印象だけが残るきものをつくりたいんです。」そう語る人のきものを見せていただきたくて、弊店で個展をされるようにお願いしました。
「来年の春ぐらいやったら」

 五月の後半に弊店で個展をしていただくことになり三月二日、太秦(うずまさ)(映画村が近くにあります)の工房をたずねました。マッキントッシュのパソコンがあって。「これからはこういうのも使いこなせんと」。 大作の屏風や染額を次々と見せてくださいましたが、圧巻はきものと帯でした。生地全体に撒糊(まきのり)や蝋纈(ろうけつ)のたたきでもない独特のまだら模様があります。 「挽粉染(ひっこぞめ)です。天目染(てんもくぞめ)とも言うけど。長いこと研究したんですよ。これが出来るのは僕だけ。皆んな真似したんやけど誰もものに出来んかった。 そのかわりエライお金使うたから貧乏になりました。」
 「工場も見はりますか。吉祥院にあるんやけど。」太秦(うずまさ)から吉祥院へ車で三十分、京都の西入口、桂川にかかる久世橋のたもと近くにありました。 岩手にあった小学校の講堂を移築したという木造の建物が染工場、「挽粉染(ひっこぞめ)を見せますわ。仕事にかかるとピーんと張り詰めた空気になるんです。 それまで職人同志、冗談を飛ばしあってても、始めた途端黙りこんで、そら真剣です。」と下ごしらえ(地入れ)の出来た生地に刷毛で染料をのせていく、 上下をボカシで染め別け、それから大量のおがくずを生地の上に降りかけ、ガスバーナーで下から乾燥させる。手順はキビキビと無駄が無い。 バーナーを止めてしばらくしておがくずをはき落とすと繊細微妙な斑点が浮かび上がっている。「職人以外で工場に人を入れたのは初めてです。企業秘密やから。 おがくずもしっとりしめっているでしょ。薬品をしませているんです。」中に入ったとき鼻をついたのはその薬品なのだろうか。実に百聞は一見に如かず、職人の技に圧倒されました。

 「作品がほぼ出来上がりました。」という連絡をいただいて五月一日、ふたたび工房を訪れました。山葡萄のきもの、川面に花びらが浮かぶ帯、挽粉染(ひっこぞめ)の豊な陰影を背景に描かれた絵模様、 「せっかく神戸で開く個展やから神戸の風景を描きました」という訪問着、透明で柔和な神戸の空の下、美しく広がる六甲の山並み、その裾に点在する人家、「京都の山と違って優しいところが大好きや」 という白河さんの気持ちが素直にきものになっています。「個展の期間中はずっと会場につめます。それが来られた方への何よりの礼儀やから」。律儀な人柄とあらためて感心しました。 五月二十三日(木)から二十八日(火)までの会期中、是非白河さんのお人柄と何より作品に触れていただきたいという思いでいっぱいです。

−−−−−


丸太やオリジナル

in 京都・和座百衆
6月1日(土)6月2日(日)