* まるたやミュージックフレンズ *


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 「まるたやフレンドリーコンサート」に出演してくださるミュージックフレンズにはいくつかのタイプがあります。私たちの「ともだちタイプ」「ともだちのともだちタイプ」「ともだちのパートナータイプ」「ともだちのお弟子さんタイプ」、もともとは「丸太やのお客様タイプ」、コンサートを聞きにきて弾くようになった「ミイラとりがミイラになるタイプ」、「よりによってどうしてタイプ」などなど。ただひとつ共通していることは「音楽が大好き」。そんな素晴らしい仲間にめぐり会えて「まるたやフレンドリーコンサート」は開かれています。
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*  井上敦子(バイオリン)
 アツコちゃんはまるたやミュージックフレンズで初めての二代目です。といっても誰かの娘さんというわけではなくてバイオリンの橋本都恵さんのお弟子さんなのです。 一見はマシュマロのように柔らかな雰囲気ですが音楽はしっかり芯が通っています。これからの活躍が楽しみです。


*  菱本美紀子(バイオリン)
 ツメちゃんはおっとりしているように見えますがおっとりしています。しかしとても思い切りの良いバイオリンを弾きます。一緒に弾いていてその思い切りの良さに唸ります。気持ちが良い。表には出ていないけれど、きっと芯はしっかりしているのでしょう。音程の良さは特筆ものです。


*  和田香(ヴィオラ)
 ワダちゃんは山椒は小粒でもピリリと辛いタイプで音楽への取り組みの姿勢はとても厳しいものがあります。といっても、いたくほがらかで楽しい人です。小柄な身体から驚くほど伸びやかで深い、まさにヴィオラでしか出せない美しい音楽を奏でてくれます。ヴィオラが美味しい室内楽は名曲目白押しなんですね。


*  山本恵一(クラリネット)
 まるたやミュージックフレンズで三番目のカップルメンバーです。奥様はピアノの上林きよみさん。勿論、最初のカップルメンバーはヴィオラの三木成美とチェロの三木久雄。余談でした。因みに二番目はテノールの岡本雄一さんとピアノの島敏子さんです。某電機メーカーの技術屋さんですが奥様が惚れ惚れするクラリネットを吹かれます。


*  (ギター)
 涼しい顔でスゴイギターを弾かれる、というのがさんの第一印象でした。 大阪シンフォニカー時代のチェロ仲間成川昭代さんがコンサート活動を続けているマンドリン、チェロ、 ギターというユニークなグループ「カヴァ・サン・トリオ」 のコンサートでのことでした。 それから「カヴァ・サン・トリオ」が開く清里マンドリン音楽祭に参加したりするなかで、 松本さんのギターとお話を度々聞かせていただいてその感を尚一層深くしています。 松本さんのギターを丸太やフレンドリーコンサートで聞かせていただけるなんて、これはまさにビッグイベントです。


*  時田直也(バリトン)
 「素敵な歌を聞かせて下さるのですよ」 とソプラノの若林真美さんがお連れ下さった時田さん、話し声そのものが深く豊かで心に響きます。 バッハのコーヒーカンタータを私達仲間の合奏団「元町アンサンブルリング」 といっしょに歌っていただいたのですが声の美しさだけではなく技術の正確さ、内容への理解と表現の的確さに心を打たれました。 時田さんは金子みすずの詩に曲をつけた自作の歌をはじめとして誰もが口ずさめる歌をピアノの弾き語りでコンサート活動を続けておられます。 是非時田さんの心暖まる歌をお聞き下さい。 きっとたくさんの力を頂けることでしょう。


*  岡本雄一(テノール)
 岡本さんの奥様はピアノの島敏子さん、というわけで岡本さんと島さんはおしどり夫婦です。 岡本さんが得意の美声でイタリアのカンツォーネを歌われるのを聞いて 「島さんはあんな風にプロポーズされたのかな」 と家内はうらやましそうでした。 「ジパングコンソート」という男声ヴォーカルグループでもご活躍で、 三大テノールではないですが甘く輝かしく、 やっぱりテノールというのは華があります。 蛇足ですが演奏家にはめずらしくオーディオマニアです。


*  井上ほのか(チェロ)
 ふとしたきっかけで出会った人が思いがけないご縁でつながっていた、ということが人生ままあります。 店でお買物をして下さったのがご縁のはじまりの井上ほのかさんも実は東京で最初にチェロを買ったお店の奥様であったとか、縁というのはつくづく不思議なものです。 ほのかさんは一見豪放磊落、ところが実は繊細緻密、ほのかさんの弾くチェロもまったく同じで誠実正確。 誤魔化そうなどという小賢しい了見が微塵も無いのが立派です。 オーザットチェロ!


*  戸澤潮(コントラバス)
 「羽織の肩裏にコントラバスを染めていただけますか」 というのが第一声でした。神戸高校の弦楽合奏部、京都大学の交響楽団、 その後大阪シンフォニカーでベースを弾いておられたのですが、 2年間の海外勤務と阪神大震災でベースを弾けなくなり、 お茶を趣味にしようとお茶席で着るきものを新調するつもりで丸太やに来店されたのが縁のはじまりでした。 何度かお話しをするうちに相当の腕の持主と判明、丸太やミュージックフレンズにベースを弾く仲間が加わって欲しいとずっと思っていましたのでプロポーズ、で見事成功。 レパートリーが増えるのが楽しみです。


*  和田弘美(ソプラノ)
 その昔、子供ミュージカルのお手伝いをしていた頃、 主役を歌っていた当時大阪音楽大学の学生さんだった和田さんの声にぶっ飛んでしまいました。 いっしょにヴィラロボスのブラジル風バッハやバッハのカンタータを歌っていただいたりしたのですが長い間音信が途絶えていました。 最近になってコンサート会場でばったり再会、 またあの青空をつきぬけるような伸びやかな歌声を聞かせていただけるようになりました。 和田さんが歩んでこられた人生の道のりの風景が感じられるような歌声を。


*  若林真実(ソプラノ)
 若林真実さんがはじめて店に来られた日の帰り際、「アッディーオ♪」 と突然歌いだされたのには ブッ飛んでしまいました。 「私、歌うのが大好きで、どこででも歌ってしまうんです」 生まれながらにミューズの子。モーツァルトの「魔笛」 やフンパーディンクの「ヘンゼルとグレーテル」に出演されるオペラ歌手だけあって、 朗々とした声と豊かな表現力をお持ちです。リサイタルの伴奏をしたとき、 ホールいっぱいのお客様からいただいた暖かな拍手に若林さんの人柄を感じました。


*  有田由紀子(ピアノ)
 ミイラとりがミイラになる、 というパターンが丸太やミュージックフレンズではままあるのですが、 有田由紀子さんもその典型的なひとりです。 春秋開かれる「丸太やフレンドリーコンサート」 を何度も聞きに来て下さっていたのですが、 ソプラノの若林真美さんのリサイタルでいっしょに演奏したのがきっかけで仲間に加わっていただきました。 そのピアノは誠実で清潔で、とくに歌の伴奏は見事です。


*  三戸久史(クラリネット)
 クラリネットの三戸久史さんは 「丸太やフレンドリーコンサートで演奏したい」 と申しこまれた唯一人の演奏家です。送って下さった資料のキャリアから 「呉服屋の2階の小さな部屋で開くコンサートなのですが」 とあえて問い返したのですが「いや、どこでもいいんです。音楽が出来れば」 という御返事でした。 三戸さんは完全に曲を消化して演奏されるのでいっしょに弾くことがある意味では楽なのですが、 逆に三戸さんの完成度との落差にめげそうになります。 日本で数少ない古典クラリネット奏者としても御活躍です。


*  永江恵子(ファゴット)
 永江恵子さんと初めて音合わせをした日、 ファゴットに抱いていた先入観がものの見事に打ち砕かれました。 どちらかというとユーモラスで暖かいけれど鈍重な楽器、 という偏見をもっていたのですが永江さんにかかるとピッコロかなにかのように軽やかなのです。 奏法をマスターするまでの苦労話を聞かせていただくとナルホドと納得しました。 ファゴットの入った室内楽という未知のレパートリーが開拓できるのが楽しみです。


*  島敏子(ピアノ)
 バイオリンの河野郁子さんと神戸女学院音楽部在学中以来のパートナーの島敏子さん。 私達夫婦が加わってピアノカルテットを始めました。シンフォニーホール、 いずみホールという檜舞台で演奏するキャリアを持ちながら謙虚で、 いっしょにアンサンブルすることを心から楽しんで下さいます。 自宅のピアノはスタインウェイなのに、「丸太やフレンドリーコンサート」 ではクラヴィノヴァ。 でも島さんの指が触れるとまるで魔法のようにキラキラと輝きながら音が流れ出すのです。 その美しさに惚れぼれしてしまいます。


*  上林きよみ(ピアノ)
 はじめて会ったとき「どんな作曲家が好きですか」とたずねたら「シューマン」と答えてくれました。 シューマンのピアノ四重奏曲変ホ長調が好きで一生に一度でいいから弾いてみたいと思っていた私は即座に 「トリオをやりませんか」と申込みました。 最初の練習の日、小さなアップライトのピアノがこんなにも深く豊かに響くものかしら、と圧倒されました。 上林の<林>と三木の<木>が一緒になって<森>になったフォレストピアノトリオ<森の三重奏>。 住まいが横浜に移って以前のようにいつもいっしょというわけにはいかないのが残念です。


*  立花紀子(ヴァイオリン)
 きものを買っていただいたのがきっかけでおつきあいが始まった立花紀子さん。 姉妹でバイオリンを弾かれる音楽一家でフランスに留学されていたお姉さんの礼子さんが帰国され、 自宅が同じ神戸市須磨区でご近所なもので立花姉妹と私達夫婦でカルテットを組みました。 研ぎ澄まされた感性の礼子ちゃんと違って温かく優しい紀ちゃんのバイオリンは、 それでもやはり姉妹でどこか似たところがあって、 カルテットのバイオリンとしては無類のペアです。 親切丁寧なバイオリン指導でちびっこファンがいっぱいです。


*  立花礼子(ヴァイオリン)
 凡人もときに非凡の人との出会いに恵まれることがあります。 カルテットを弾いていただくことになってその音を聞いた瞬間、 これは奇跡だ、 このヴァイオリンと一緒に楽興の時を共にすることが出来るなんて、 と我身に与えられた幸運をにわかには信じがたい思いがしました。 立花礼子さんは音楽に内包された本質的なもの、 作曲者の心の在りようや意図をあやまたず理解し共感する類稀な感性と、 それを十全に楽器で表現する高度な技術とを併せもっています。 楽曲に秘められた謎が彼女の手の中で解き明かされてゆく様を眼前に聞くことは音楽の醍醐味の極みでしょう。


*  宮下和子(ヴァイオリン)
 まるたやフレンドリーコンサートを聞きにきて下さったのがおつきあいの始まりなのですが、 とっても穏やかな人柄に惚れて「仲間に加わって下さい」とお願いしました。 初対面の印象は「おぬしやるな」という感じで、 からだ全体にミューズの神が宿っていました。 聞かせていただいたバイオリンは想像どおり、 というか想像以上というか、 しっかりとした音程、表情豊かな音色で素晴らしいのひとことでした。 でもミンコチャンという愛称どおり音楽の冴えが鋭さになっていないところがいいです。


*  成川昭代(チェロ)
 大阪シンフォニカーでいっしょに演奏していた頃、 成川昭代さんは大阪音大の学生さんでした。 少女のあどけなさの残る愛らしい女性でしたが、 力みのない奏法で弾くチェロの音はしっかりと芯がありました。 カヴァ・サン・トリオのチェリストとして十数年ぶりに再会した昭代ちゃんのチェロは蕾がいつか大輪に花開いたような、 幼虫が蝶になって舞い飛んでいるようでした。


*  橋本都恵(ヴァイオリン)
 西宮交響楽団に在籍していたときエキストラに来てくださった橋本都恵さんのバイオリンを弾く凛とした姿勢をチェロの席からひそかに憧れていました。 カルテットを弾いて下さるようお願いして2年の間アンサンブルを楽しんだのですが、 メンバーが多忙になってながれ解散。 十数年後ふたたび室内楽を復活できたとき、 伸びやかで朗らかな都恵さんのバイオリンがより円熟味を増したことをとてもうれしく思いました。


*  南夏世(作曲家)
 子供ミュージカルで楽器を弾くお手伝いをしたとき、 愛らしい声で歌っていた少女が素晴らしい歌を世に送りだす作曲家に成長しようとは、 思ってもみませんでした。  当時、まだ中学生だった南夏世さんとその後ピアノの上手な彼女が大学で作曲の勉強をしている頃、 私達夫婦と一緒に3年ほどの間ピアノトリオを楽しみました。  彼女は作曲活動が、 私達は子育てが忙しくなって途絶えてしまいましたが、 彼女の作品は機会があれば聞かせていただきました。 とくに子供の詩に曲を書いた「子供の詩による小さな歌曲」 は子供の詩のナイーブさが損なわれることなく歪められることなくファンタスティックな音の世界に生まれ変って素敵です。  もっともっと広く歌い継がれたらと希っています。


*  宮名利育(フルート)
 私が二十四才で西宮交響楽団に入団したとき宮名利育さんはまだ中学生の最年少団員でした。 元気がよくてちょっとおっちょこちょいの可愛い少女でした。 大阪芸大で本格的にフルートの勉強を始めしばらく会えなかったのですが、 演奏会でばったり出会って 「三木さん大阪シンフォニカーという素晴らしいオーケストラができてそこのメンバーなんやけど、三木さんも入らへん」 と誘われたのが一生を左右する運命の一言とは夢にも思いませんでした。 小さなからだのどこからそんなパワーがあふれてくるのか、 いつもエネルギッシュな育ちゃんのフルート。


*  吉井謡子(ヴィオラ)
 大阪島之内の教会で開かれていたアル・フィーネ(現大阪チェンバーオーケストラ) のコンサートでビオラを弾いておられた女性は見るからに柔和で繊細で 「謡子」という名前があまりによく合っていて素敵だと思っていました。 その吉井謡子さんといっしょに室内楽をやっていただくようになろうとはその頃考えてもいませんでした。 アンサンブルの輪のなかで聞こえてくる吉井さんのビオラの音は遠くステージでイメージしていたとおりでした。


*  森薫(バイオリン)
 薫ちゃんが立花礼子さんのレッスンを受けるために初めて店に来たのはまだ中学生。高校、大学と音楽を専攻して、早やバイオリニストとして演奏家の仲間入り。まるたやミュージックフレンドにも加わってくださいました。大袈裟に言うと時の流れを感じます。未来は君たちの手に。

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メモリアルメンバー
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*  河野郁子(織田)(ヴァイオリン)

* 日比眞理子(ヴァイオリン)