ご縁のいただきかた、というのは実に様々でたまたま席を隣あわせた、とか、友達の友達の友達、とか、そのへんの機微は「袖擦り合うも他生の縁」とか「縁は異なもの味なもの」というような慣用句にも良く表れています。
古いきものの裂地をリフォームして衣服づくりに取り組まれておられる岐阜の「ちよ工房」さんとのご縁は今という時代ならではインターネットを通じてつながりました。
丸太やのホームページをご覧になられて、この店だったら、と閃いて下さったそうで、11月の初め、ご主人の栗田藤紀さんからお電話を頂きました。
「家内がきもの地をリフォームして服を作っているのですが、名古屋の三越で個展を開いたりしています。一度、ご覧になって頂けないですか。」
丁寧な言葉遣いに人柄がしのばれて申出をお受けしました。
数日後、店番をしていると、いかにもその奥様と分かる物腰の上品な女性がにこやかな笑顔で来店されました。
栗田千代さんは長年ご主人が製造販売されておられる子供服(女児フォーマルドレス)のデザインと縫製をなさってこられました。
きものがお好きで、骨董屋さんをめぐっては古布を収集され、ご自身のために服にリフォームされて着用されておられました。
その着姿を目に留められたとあるギャラリーのオーナーから個展のお誘いを受けられたのが始まりだそうです。
素敵な古布に出会うとどうデザインしようかしらと思いめぐらし、型紙を作り縫製し、そして思いどおりの服に出来上がったときの喜び、「楽しいことばかりです」と話して下さいました。
ただあくまでお客様にお求め頂いて着用して頂くものですから実用上の堅牢性、傷まない、色落ちしない、という条件のもと、古布をどう使いこなすかは慎重に吟味をし選択されます。
数日後、今度はご主人が「家内の作ったものを見てやって下さい。」と数点の作品と写真をお持ち下さいました。
どれも使われている古布が素敵で使い方もお洒落でした。
デザインがシンプルでさり気なく縫製が丁寧なので仕上がりがすっきりしています。
「コツコツ楽しんで作っていますから数はあまり無いのですが」それでも弊店に出品して頂くのには充分なようです。
「お店のお客様にどんなふうに見て頂けるでしょう」と期待の表情でした。
と き |
十二月十六日(日)より 十二月二十四日(月)まで |
ところ |
弊店2階 ギャラリー響 |
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