「商鑑」と書いて「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」を「鑑(かんがみる)」、すなわち「過去に照らして商売を考える」という意味で、硬く言うと「商売の歴史的考察」、平たく言うと「どうやったら売れるんや、昔は商売どうやったんや」。さて答えや如何に。 |
商売とは何か |
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「商鑑」とは私の造語です。「あきないかがみ」と読みます。「商(あきない)」とは商売で、「鑑(かがみ)」とは鑑(かんが)みる、すなわち考えることなので、「商鑑」とは商売を考えるという意味です。平安時代から鎌倉時代にかけて「大鏡」「今鏡」「水鏡」「増鏡」という歴史書があります。「鏡」に映して歴史を考えるという趣旨で、私が書こうとする「商鑑」も、商売を歴史的に考える試みです。 一介の呉服屋である私が、商売を歴史的に考察するという大それた試みをしようとするのは、今商売が事の他厳しいからです。とりわけ商店街、市場がおかれた状況は、シャッター街という言葉が、いみじくもその苦境を表現しています。残念ながら神戸元町商店街も例外ではありません。表面上の活況とは裏腹に衰退への道を辿っているのです。弊店が店舗を構える元町1番街は、阪神淡路大震災後、ほぼ半分の店舗が入れ替わりました。個々の事情はともあれ、商売の不調が大きな原因でしょう。昨年の1月から6月にかけて実施された神戸商工会議所の神戸市内商店街・小売市場等「商業経営実態調査」でも商店街、市場の現状の深刻さが浮き彫りになっています。 分もわきまえず私が「商鑑」なるものを書こうとするのは、弊店を含め商店街に店舗を構える商店が、現在の苦境を克服し、未来への希望を切り開くには、今何を為さねばならないかを考えようとするからです。そのためには「商売とは何か」を根本から、歴史を遡って探りたいのです。過去を鏡に、現在を振り返り、未来を見通す。「商鑑」を書くことの中から、何かが見つかるかもしれません。 |