創造的行為
 “メーカー、窯元、他の作家・・・ほっておいても焼物はどんどん作られていきます。そんな中でも自分がワザワザ作る値打ちの有る物を作っていきたいと思っております。”

 この秋、新たに「丸太やオリジナルコレクションコンサート」に陶器の数々を制作してくださることになった手島英則さんからのメッセージです。創造的行為とは何かを、これほど雄弁に物語る言葉はないでしょう。期待に胸がふくらみます。


世界の歴史
 学生の頃、日本史が大好きだったのに反して世界史は苦手でした。遅まきながら中央公論社「世界の歴史」を読んでいます。やはり世界は広い、スケールが大きい。古今東西の社会の在り方、人間の生き方の違いに驚きますが、しかし、違うところと違わないところが確かにある。違うところは、なぜ違うのか、違わないところは、なぜ違わないのか。相違と一致を見比べることによって、社会と人間の本質が見えてくるように思えます。


因果応報
 ここしばらく日本の古典を読み続けています。物語であれ和歌であれ戦記物であれ説話集であれ、そこには人として踏むべき道が示されています。もっとも強く説かれているのは因果応報です。善行が善報を、悪行が悪報を招く。行為の善悪が善悪の結果を招来するのです。因果応報の観念にこそ日本人の倫理観の根幹がある。智恵の宝庫です。


源氏物語
 昨年の暮、「源氏物語」を読み始めてから日本の古典に傾倒しています。今、「古今集」を読んでいますが、惚れ惚れするほど美しい。美しいと感じるのは、きっと私が日本人だから。美意識の共有の上に成り立つ共感の美学。日本の古典を読むことは、日本人を知ること、日本人である私自身を知ることに他なりません。