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『一珍染(いっちんぞめ)』 |
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染色技法とは、染まらない部分を作る技術です。この技術を「染色防染絵付け」と呼びます。「友禅染」という日本の伝統的な染色技法は、もち米を材料にして作られた友禅糊を用いて染まらない部分を作る染色技法ですが、その前駆的技法が、小麦粉に、布海苔、明礬、消石灰などを混ぜて製造する一珍糊を防染に用いる「一珍染(いっちんぞめ)」です。 「一珍染」は室町時代に普及した染色技法ですが、江戸時代初期、狩野探幽の高弟で、異色の逸材として知られた久隈守影が一珍糊を使用した染色技法を完成させました。久隈守影はその号を一陳(一珍斎)と称していましたので、一珍糊による染色防染絵付けは「一珍染」と呼ばれるようになりました。 高橋孝之さんは「一珍染」の現代の名工です。ある意味、「一珍染」が「友禅染」に主役の座を奪われたのは、小麦粉の一珍糊が、もち米の友禅糊ほど防染力が高くなかったからです。高橋孝之さんは、一珍糊の弱点を逆手にとって、友禅糊では表現できない、微妙で柔和な表情を「一珍染」で表現する技法を完成されました。現代の名工たる所以です。 |
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