かつて「キモノ」は「お道具」でした。「お道具」だから「おきもの(置物)」だったのです。しかし今や「キモノ」は本来の「きもの(着物)」になりました。なぜ「おきもの」が「きもの」になったのか。それは暮らしが豊かになったからです。日々をより豊かに楽しく暮らしたいという思いが「おきもの」を「きもの」に変えたのです。
 「おきもの」を「きもの」に変えたのはお客様です。お客様お一人お一人の日々をより豊かに楽しく暮らしたいという思いです。その熱い思いを誰よりも形にされたのが服部秀司さんです。服部秀司さんが「おきもの」の代表だった抓掻本綴を「きもの」に創り変えられたのは服部秀司さんご自身が心楽しく日々を豊かに生きていこうとなさっておられるからです。どうぞ服部秀司さんとご一緒に心豊かな人生をお楽しみください。


 着物にはTPOがあります。いえ着物に限らずTPOはどんな場面にも存在するのですが、こと着物に関してはそれが更に厳しいように思われている節があります。確かに、みんなが心地よくあるためには互いを思いやる心が必要ですが、それが行き過ぎると決め事にがんじがらめになって息苦しくなり、本来豊かで楽しいはずの時間が辛いものになってしまいます。あれをしてはいけない、これもだめ、フォーマルの着物はこうあるべき、普段の着物にそんなコーディネートはありえない、などと、否定し限定するのでは、せっかくの着物を着る機会も楽しくありません。そうではなく、逆に、着物を着ることで自分だけでなくみんなが楽しくなるように考えてみたらいかがでしょう?例えば「寿」の文字が帯になっていたら、めでたい感じですよね。それが更に、「寿」の文字が鶴に見立てた柄だったら・・・服部さんの綴の帯はそういう発想にあふれています。ただ奇麗で格調高いだけの帯ではないのです。楽しいアイディア、ちょっとした洒落っ気、現代的な美的感性が活きているのです。着物が衣装であり、暮らしに寄り添うものだからこそ、着る人も共にいる人も皆が心地よい時間を過ごせるためのアイテムでありたい。そんな想いで創意工夫を凝らした帯が、服部さんの綴帯なのです。さて、この帯の前の柄は何でしょうか?是非ご覧になりにお越しください。
 普段のオシャレにも、大切な機会にも、服部さんの綴帯を結んで、心豊かな時間を過ごしませんか?