一昨年の夏から丸太やのブログを書くようになりました。お世話してくださっているウェブの担当の方から勧められて、Facebookでも紹介するようになったのをきっかけに、Facebook友達が七十名ほどできて、毎日の情報を交換というか、交流しています。服部秀司さんともその中でお友達になりました。ぜんぜんマメではいらっしゃいませんが、いったん書くとなるとどこまで続くのかと思うほどの長文を投稿されます。内容は、決まって歌舞伎のお話し。これほど深く鑑賞してくださったら、役者さんもさぞ本望だろうと思うほど。
 ところで、きものをお召しになって観劇とかコンサートへ、という方が増えているように感じています。せっかく着るのだから「季節感のあふれるもの」をとか、「演目にちなんだもの」をとか、皆さん心を配っておられます。一歩踏み込んだ能動的な鑑賞で、とても素敵なことです。服部さんが、そんな方たちとお話の弾まないはずがありません。そして、そのことが更にもの創りに活かされてゆくのです。私が音楽が好きで、音楽のモチーフの商品を音楽のお好きな方たちにご提案しているのと、根っこは同じだな、と思っています。
 これは、服部さんに創っていただいた私の帯です。銀婚式の記念に主人からのプレゼントでした。大切に、と思っているのですが、紬や小紋に合わせても重苦しい雰囲気にならず、一ツ紋の無地にも砕けた感じにもならず、袷にも単衣にも、結ぶことができるので、出番が多くなります。同窓会や孫のお宮参りにも、この帯を結びました。 服部さんの綴帯は、デザインがお洒落で楽しい、というだけならば、私はこれほど、この帯を結ばないと思います。なんといっても楽です。結ぶときも仮紐もせずに結べます。夕方から、ちょっと大切な方に会うという日にも、朝から店で帯留めをしてお洒落に着て、出掛けに帯〆だけ改まった感じのものに変えてということもありました。難点は、ついつい使いすぎる、というところかもしれません。
 この度の「心豊かに日々を楽しく」という会期中、服部さんは京都から日参してくださるそうです。心豊かに暮らそうと思うもの同士、創る人、使う人、それを見せていただく人も含めて、楽しいおしゃべりのひとときを過ごしませんか?ご来場を心よりお待ちいたしております。