夢の話です
 「モーツァルト」という喫茶店があって、中に入ると、コーヒーの香り、モーツァルトの音楽、居心地のよい空間と時間。「モーツァルト」に行こう。坂道を登って、角を右に曲がって、すぐそこに「モーツァルト」が・・・・。しかし、なぜかたどりつけない「モーツァルト」。という夢を、何度も何度も、繰り返し見たのです。なぜだろう、なぜたどりつけないのだろう。
本当の話です
 神戸元町商店街を歩いていて「アマデウス」という看板が目に止まりました。きっとオーナーがモーツァルト好きなんだろう。中に入ると、モーツァルトの音楽。モーツァルトのレコードや本が所狭しと並べてあります。真ん中にグランドピアノが置かれていて、そのそばの柱には「モーツァルトを演奏してくださった方にケーキセットをプレゼント」と書かれてありました。弦楽トリオを演奏したい、と申し出たのがきっかけでサロンコンサートに出演するようになりました。平成5年秋、5度目の出演になる「アマデウス」でのサロンコンサートがよんどころない事情で中止になり、せっかく練習を重ねたのだから、と急遽、「神戸・元町 丸太や」で演奏することになりました。初めて弊店2階で開催した「ふれあいコンサート」は好評で、私に心の中に夢がふくらみました。
 私は音楽が好きで、とりわけ室内楽が大好きです。自分で演奏することも好きですが、レコードやコンサートを聴くのも大好きです。しかし室内楽をコンサートで聴くことにはいつも不満がありました。室内楽はその名のとおり独奏からせいぜい八重奏ですから本来は室内で演奏される音楽です。しかし実際は大ホールで演奏されることが往々にしてあります。気持ちのよい小さなホールで聴けたら、と思い続けていました。「アマデウス」のサロンコンサートはまさに室内楽が楽しめる素敵な会場だったのです。思いがけず弊店の2階で「ふれあいコンサート」を開催し、「神戸・元町 丸太や」が私にとって求め続けていた室内楽のコンサート会場になったのです。
 平成7年秋、10月13日から20日まで弊店2階で「Motomachi Music Week」と名付けたコンサートを開催しました。音楽仲間に出演していただいて連日、室内楽のコンサートを開催したのです。以来毎年、春4月、秋10月、「丸太やフレンドリーコンサート」と名を改め、音楽仲間「丸太やミュージックフレンド」に演奏していただいて室内楽のコンサートを開催しています。
夢の話の続きです
 行きたくて、なのに、たどりつけない「モーツァルト」。ところが、いつの頃からか、その夢を見なくなったのです。あるとき、そのことに、ふと気がついて、なぜだろう、なぜ見なくなったのだろう、と考えました。「丸太やフレンドリーコンサート」を始めたから。「モーツァルト」という夢の中の喫茶店に求めた、居心地のよい空間と時間、が「丸太やフレンドリーコンサート」で実現したから。夢はかなえられたのです。


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