横山俊一郎

 「染は化学、織は物理です」という横山俊一郎さんの言葉ほど染織の本質を言い当てた言葉はありません。「織は結局、人なんです」という言葉ほど創作の核心を突いた言葉もまたありません。

 「みさやま紬」は信州松本の在、みさやまの里で、故・横山英一氏が、農業の傍ら蚕を飼い、糸を紡ぎ、裏山の草木を染料として、戦後、創作を始められました。現在は、父・英一氏の遺志と技術を受け継ぎ、横山俊一郎氏が制作されておられます。
 みさやまの里は、東に美ヶ原の山なみを仰ぎ、女鳥羽川の源流は近くを流れています。 山谷に自生する材料を探し求めて草木染を行いますが、生の草木は明るく、 透明感のある独特の色彩を見せてくれます。染めては干し、染めては干し、 色を染め重ねることによって深味が加わり、堅牢度も増してゆきます。
 春夏秋冬・・・・自然の風景はその色彩を変えてゆきますが、 草木染も材料の採取時期によって微妙な発色の違いを見せます。 一期一会の色と言えるしょう。


1999年 9月 美は山峡に在り みさやま紬 三年後の再訪
2003年 9月 心で染める 技で織る 横山俊一郎 みさやま紬
2011年 2月 みさやま紬
2013年 3月 信州松本 横山俊一郎 草木染 みさやま紬
2015年 9月 ふるさとの布みさやま紬 横山俊一郎 織個展