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  『泥染(どろぞめ)』

 大島紬を特色づける黒褐色の地色は、泥染(どろぞめ)という技法によって染められています。染料になる植物はテーチ木(車輪梅)という奄美大島に繁茂する常緑樹で、この木の幹や根を小さくチップ状にして大きな釜で12時間ぐらい煮て煎液を作ります。この煎液で地糸や絣糸を揉んだり叩いたりして約20回染めを繰り返すと、テーチ木のタンニン酸によって糸は赤褐色に変わっていきます。次に、泥田で泥に3〜4回つけて染めると、テーチ木のタンニン酸と泥の鉄分とが化合して糸はやわらかくこなれ、独特の渋い黒褐色に染まります。こうしてテーチ木と泥染めを4〜5回繰り返すうちに、大島紬ならではの深くしっとりとした色合いが染め上がるのです。

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