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  『縞(しま)』

 麻や綿のように植物から作った糸にせよ、ウールやシルクのように動物や昆虫から作った糸にせよ、作った糸を織って布を作るのですが、そのままの布は柄もなにもない無地の布です。 何かそこに柄のようなものを入れて、と考えたとき最初に思いつくのは縦糸の色を変える、ということではなかったか。縦糸の色を変えて織り上げた布には縦に縞模様が浮かんできます。 「縞」は絵織物の原初といえるでしょう。原初という意味で極めて素朴ですがどのような色糸を入れるかによって千変万化する、という意味では限りなく奥が深いともいえます。 織物は「縞」に始まり「縞」に終わる、といえなくもありません。「縞」の語源は「島」で、かつて「縞」の織物が日本に伝わったのが南方の「島」から渡来した、という意味で「縞」と名付けられたのです。 「島」に「縞」という字を当てたのは糸偏に高いというつくりで高度で高価な織物という意味合いだったのでしょう。南方の「島」から船で渡来した品物は今も昔も「舶来」として珍重されたのです。

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