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  『単衣(ひとえ)』

 オールドファンには懐かしい歌のひとつに「からたち日記」があります。島倉千代子さんの絹糸のようにか細い、しかし透明で艶やかな声で歌われる詞は心に染みるものがあります。その一節に「単衣(ひとえ)の袖をかみしめた」というくだりがありますが、淡い初恋は春から初夏に移る頃なのだなと思いをはせるのです。
 単衣のきものは五月中旬から六月、九月から十月初旬まで着ますが、初夏、初秋、日本の四季折々のなかでももっとも凌ぎやすく、きものでお出かけ、というのもとてもいい時季です。
 単衣は裏地をつけない一枚仕立てのきものですがおそらく一重、二重の「ひとえ」から名づけられたと思います。単(ひとえ)の衣(きもの)。「衣」を「え」と読ますのは他にきものハンガーを衣紋掛(えもんかけ)と呼ぶ時にもつかわれます。

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