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戸谷真子さんのデザインは全てオリジナルです。題材は身近な動植物だったり、頭の中に浮かんだ空想だったり、様々。スケッチを重ねて、最終的な図案に仕上げていきます。これまでに作られたデザインにはそれぞれ模様ができるまでのストーリーがあり、まるで絵本を読んでいるようなやさしい気持ちになります。 |
型紙に図案を写し、小刀で型を彫ります。糸のような細い線や、透かし彫りのように繊細な模様も一つ一つ手で彫ります。最後に型紙を補強するため紗張りをします。 |
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型紙を生地に置き、糊で型置きします。模様の周りを糊で囲むようなかたちになり、中に色を挿すことで模様を表現します。連続する模様の場合は、前後の模様とずれないように型紙を合わせながら型置きします。 |
色挿しには天然の顔料を使い、大豆の絞り汁を使った呉汁を混ぜて乳鉢ですり潰し、その日に使う分だけの色を用意します。一度下塗りをした上に、もう一度色を重ね塗りし、色に厚みを出します。さらに、部分的に暈しで隈取りをし、深みと奥行きのある紅型らしい色合いに仕上げます。 |
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柄の色挿しのあと、一度蒸して水洗いしたら、もう一度柄を糊で伏せて地色を染めます。地色と柄の色を、工程を分けて染めることで、それぞれの色が際立ち、紅型独特の明瞭な色彩が生まれます。 |
色挿しが全て終わったら、全体をもう一度蒸して水洗いし、生地のゆがみなどを整えて仕上げをしたら完成です。戸谷真子さんの工房では、ほとんどの工程を分業ではなく一貫して制作しています。そのため、細部まで戸谷真子さんの思いが行き届いたオリジナルの作品が生まれるのです。 |
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