季節はいよいよ春です。元町商店街のモクレンも蕾が膨らんで、花開くときを今か今かと待ち焦がれているようです。春は着物でお出かけするのにも一番良い季節。カジュアルな着物を着こなして、ぜひお出かけください。カジュアル向きの着物といえば【紬】がまず挙げられます。織の素朴な風合いが、着物ビギナーの方から着物愛好家の方まで幅広く愛されているのが紬です。全国各地で様々な紬が作られていますが、今回丸太やでご紹介するのは山形県などで作られている【米沢紬】です。 米沢は古くから織物で栄えた街です。江戸時代に、米沢藩主の上杉鷹山が織物生産を奨励したことで品質や生産力が向上し、有名になりました。現在でも多くの織元が切磋琢磨し、それぞれの工房で個性あふれる織物を作っています。高齢化が進んでいるといわれる伝統産業にあって、米沢は若い生産者が増え、全国の産地の中でも今一番活気にあふれているかもしれません。 米沢紬の特徴は、一言では言い表せません。それぞれの工房ごとに独自の製法でオリジナリティあふれる紬を制作しているからです。ほっこりやわらかい真綿の風合いのものや、単衣にも向くシャキッとシャープな着心地のものなど、生地の風合いも多彩です。一度米沢紬の風合いを味わうと、他の工房の紬はどんな風合いだろうと、どんどん着てみたくなってしまいます。価格も比較的リーズナブルなものが多いのも嬉しいところです。 この度の米沢紬展では、この春にお召し頂きたい春色のあたたかな着物や、初夏にお召し頂きたい単衣向きのもの、日常着にしたい木綿の着物、気軽に結べる八寸名古屋帯など、気軽な着物ライフを楽しむための素敵な品をたくさんご用意いたします。ぜひお手に取ってご覧ください。ご来店を心よりお待ちいたしております。 |