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年が明け、冷たい風の中にも春の息吹をわずかに感じる季節になりました。新春は街中でも着物姿の方をお見掛けすることが多く、華やかですね。 この度弊店では西陣の老舗帯メーカー【紫紘】の作品展を開催いたします。紫紘は故・山口伊太郎氏が大正九年に創業した【山口織物所】を前身とする、西陣でも老舗の帯メーカーです。織物の表現力を探求し続けた山口伊太郎氏の精神を引き継ぎ、現在でも品質にこだわった高級帯を制作されています。 紫紘の帯は、とても緻密で繊細で、織物とは思えないほどしなやかで美しい帯です。この帯は、いったいどのような場所で、どのように制作されているのでしょうか。この度、山口伊太郎氏の孫にあたる野中敦史さん、彩加さんにご案内いただき、紫紘の製作現場を見学させていただきました。 紫紘は、堀川通を西に入った街の中にあります。西陣と呼ばれる一帯で、織物が盛んな地域です。昔はあちこちから機の音が聞こえていたそうです。西陣は織で文様を表現する【紋織】の技術を高め、継承している地域です。日本の先進都市であった京都で、中国からもたらされた様々な技法を吸収しつつ、日本独自の新しい技法や表現力を磨いて今に至ります。紫紘は、そんな西陣のものづくりの本流を継承する帯メーカーです。 帯を作るには、様々な工程があり、それぞれに高い専門性が求められます。帯メーカーは、専門の職人たちを取りまとめ、作品に仕上げていくのです。工程を外注するところも多い中、紫紘は帯の品質を高めるためほとんどの工程を自社で一貫して行っています。 帯を作る工程の中でも特に重要なのが、帯の設計図を作る【図案制作】と、帯を織り上げる【製織】です。図案制作では、デザインの基になる絵を、経糸と緯糸の設計図に起こす作業をします。織物特有の質感を表現するには、この図案の良し悪しが大きく関係しています。紫紘では、業界でも早くからコンピュータを導入し、より正確で精緻な図案作りに活用していますが、精度の高い図案を作るには人の手と感性と経験が不可欠です。先端技術と人の手の融合は、西陣の伝統を継承しつつ、新しい帯作りを進める紫紘らしい取り組みです。 ![]() これほど高度な織物を作っている紫紘ですが、その帯は技術力を誇示するような押し付けがましいところは全く無く、むしろさりげなささえ感じるほどです。この引き算の美学は、実際に着物を着て帯を結ぶ経験が無ければ理解できないものです。着物と組み合わせたとき、小物を合わせたとき、全てが組み合わさって丁度良い具合になる、そんな使いやすさも紫紘の帯の魅力です。帯の図案制作にも携わる野中彩加さんは、自身でも着物を着て、紫紘の帯を結んでいらっしゃいます。「こんな時に結びたい」と思うシーンをイメージして帯をデザインすることもあるそうです。着る人の気持ちに寄り添い、着る人のことを第一に考えて作っているのが、紫紘の帯の使いやすさの秘密です。 ![]() |
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