今年の夏もはや後半となりました。うだるような暑い日が続いていますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。弊店では八月九日より目にも涼やかな墨流し染めの作品展を開催いたします。 　水面に専用の顔料を浮かべて模様をつくり、布に写し取る「墨流し染」。その歴史は奈良時代まで遡る伝統技法です。当初は墨のみで染める技法でしたが、ヨーロッパで様々な顔料と出会うことにより多彩な色彩の表現も可能になり、「マーブル染」と呼ばれるようになりました。水の流れが作り出す自然の模様はすべて一期一会。原理はシンプルですが反物を染めるのは非常に難しく、日本でもこの技法で反物を染められる方はごく限られています。高橋孝之さんはその第一人者です。 　今回の個展では、夏の着物としてもお召しいただける墨流し染の浴衣や、単・袷に向く墨流し染め正絹着尺など、多彩な作品をご覧いただけます。今年の夏の終わりに浴衣を誂えるのもよし、秋冬に向けてお洒落な着物を誂えるのもよし。一期一会の出会いを探しにぜひお越しください。 　会期中は『ハンカチのマーブル染体験』も同時開催いたします。反物を染めるのと同じ原理で、水槽に専用の顔料を浮かべてオリジナルハンカチを染めることができます。小さなお子様でもかんたんにハンカチ染が体験できますので、ぜひこの夏の思い出に挑戦してください♪