この度、音楽をモチーフにした「丸太やオリジナルコレクション コンサート」シリーズに新しい仲間が加わりました。器に別の土を埋め込む「象嵌」という技法で音符を描いた陶器のカップたちです。
 制作していただいたのは、神戸市在住の陶芸家、手島英則さん。手島さんは神戸生まれの神戸育ち。現在は有馬に釜を構えておられます。手島さんとのご縁をいただいたのは昨年九月のこと。手島さんの陶芸教室で学ばれている方に、ご紹介いただいて、手島さんの作品を拝見させていただいたのがきっかけです。その作品は象嵌の線のみで模様を描かれた鉢。土の器に光が降り注ぐような美しい器でした。手作りのぬくもりと、モダンなセンスがひとつに交わったような作品に、惹かれました。この方の器に音楽のモチーフを取り入れていただけたら、神戸らしいハイセンスなオリジナル作品が生まれるのではないかと感じました。
 手島さんはとても気さくな方で、弊店のこの希望を快くお受けくださいました。そして度々弊店にお越しくださり、じっくりデザインを煮詰めさせていただきました。商品の種類、大きさ、音符の数や配置などなど・・・手島さんも弊店の音楽に対する想いを真摯に受け止めてくださいました。そしてこの度完成したのが新作オリジナルカップです。 手島さんから私たちにメッセージが届きました。

「 メーカー、窯元、他の作家・・・ほっておいても焼物はどんどん作られていきます。
そんな中でも自分がわざわざ作る値打ちのある物を作っていきたいと思っております」


 その言葉どおり、手島さんの作品はひとつひとつよく吟味され、考え抜かれたものばかりです。小さな器ひとつにも、その存在意義を問い続けた手島さんの想いがこめられています。神戸から生まれたオリジナルの作品をぜひお手に取ってご覧ください。
 オリジナルの作品のお披露目をかねて、手島さんの作陶展を開催いたします。

手島 英則 てしまひでのり
1969年 兵庫県神戸市出身
1991年 浪速短期大学(現大阪芸大短期学部)
デザイン美術科工芸専攻卒業
2002年 神戸市の有馬に窯を置く
以降、個展、グループ展多数
各地クラフトフェア、陶器祭り等に出展