私事で恐縮ですが、最近御召の着物を作りました。藤紫色、市松柄の幅広の生地があったのです。母には「ちょっと派手じゃない?」と言われましたが、思い切って作ってみました。紬以外の着物は初めて着たのですが、御召はとても着易いです。生地がシャキッとしていて裾捌きが良く動きやすいので、着崩れしにくい印象です。
 実は御召は着物の優等生なのです。縮緬や、綸子よりコシがあり、紬よりはしっとりとしていて、着心地がとてもよく、フォーマルにもカジュアルにも使える万能の着物です。生地がしっかりしているので、単にもお薦めです。
 今回は、御召に合わせて締めていただきたい帯もご用意しました。袋帯、染の名古屋帯など、着用シーンに合わせてお選びいただければ、御召の用途はぐんと広がります。もちろん、男性向きのものもございます。ぜひこの機会にご覧ください。


【御召】
 徳川十一代将軍、家斉が好んでお召しになったところから、その名が付いたといわれています。正式名は御召縮緬で、縮緬の一種です。いわゆる縮緬が、横糸だけに強撚糸を使うのに対して、御召は、縦糸にも縒りをかけています。また、縮緬は白生地に織りあがってから精練しますが、御召はあらかじめ糸の段階で精練し、染色してから織ります。先染めの織物ですが、近年はさらに染めの加工を加えたものも良く見られます。種類は、産地名を付けたもの(西陣御召、塩沢御召、桐生御召)、組織によるもの(紋御召、通風御召)、糸質によるもの(上代御召)など数多くあり、それぞれ特徴があります。

帯との取り合わせ次第で、正装にもお洒落着にも。独特のシャリ感や裾さばきの良さはお単衣にも最適です。
<縫い取りのお召>
水玉やさくらの花、ぞうさんや子猫などかわいい柄、楽しい柄がいっぱい!!

男性向きの広幅着尺、純単衣用うす御召もございます。