![]() 阪急嵐山駅から歩いて二十分ほどのところに、木戸さんのアトリエはありました。お伺いすると、木戸さんご本人が出迎えてくださいました。小さなアトリエで、入ってすぐに鮮やかな紫の帯と制作途中の作品が目を引きました。壁には天橋立の大きな絵が掛っていました。これから制作する、京都府から依頼を受けた染額のデザインなのだそうです。 少しお話をした後、染色作業を見学させていただきました。黒地に蘭の花が描かれた中振袖です。これも注文を受けて制作しているのだそうです。「自分が思い描いたものだけでなく、お客様が求めているものも描けないといけない」と、木戸さんは、別注を受ける心得を話してくださいました。自分の心にあるイメージをかたちあるものに表現するのは、決して簡単なことではありません。それが他の人の心にあるものなら尚更です。 |
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![]() 工房にはお弟子さんが一人来られていました。原田今日子さんです。木戸さんの工房に来るようになって三年になるそうです。「私にはない感性を持っているんですよ」と木戸さんは紹介してくださいました。 |
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![]() 京友禅染の技法は、古く元禄時代まで遡ります。しかし、伝統工芸とは、博物館に飾られる恐竜の化石ではありません。本当の伝統工芸とは「古くから伝えられ、そして今まさに必要とされているもの」だと私は思います。中でも、特にきものは、私たちが身にまとうファッションであり、私たちの生活の中に生きているものです。木戸さんは「流行は追わない。しかし、今の感性に合うものをつくりたい」と、自身のものづくりに対する理念を語ってくださいました。伝統の最先端を生きる木戸源生さんの世界を、皆様に楽しんでいただきたいと思います。 今回、原田さんのコーナーも設けます。併せてご覧ください。 |
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三木 弦 |